たぬきのちらうら

適当に、好きなことを書く。おもにシャニマス

色紙100枚を広告屋のコピーライターとして見てみた。

今日のツイッターのトレンドに入っている、

「色紙100枚」

もとのツイートはどうやら、この編集者の発言らしい。


モブ子の恋という作品の販促のために、
ほうぼう手を尽くし色紙を100枚作者に用意してもらったとか。
そういった苦労話を編集者が主役でちょっとマンガにまとめましたって感じ。






「色紙100枚なんて意味があるわけないだろう。」
「作家に無駄な努力をさせている。 」
今までの人生で一冊でも、
店頭の色紙が素敵で買った作品はあるだろうか。

僕にはない。たぶん、あなたにもないはず。

色紙って、(この場合版元のPOPも含めようか)
伝えられる作品の魅力がとても少ないからだ。
たった数行の文章と、作品のイラストで伝わるほど、
象徴的なセリフや美麗なイラストがあるのなら、そもそも売れているのだから。

色紙とかって本屋に来るお客様に宣伝するためじゃなくて、
それを売るか決める書店員にプッシュするためのツールですし。
いわば、営業ツールをマンガ家さんに100枚描かせたわけです。

版元さんがプッシュしてるし営業さんも熱心だからとか、
ゲラを読んで気に入った書店員さんが売り場を作るとか。
そういう方向性に働くものなので、
100枚も先に描いてもらうことに意味があるかは正直疑問です。

無料で1話よめるペーパーとかのほうがよっぽどいい。
それに今の時代なら、ツイッターで無料公開もできるし、
集英社のりぼん編集長合田氏がやってるような、
本格的なプッシュ及びジャンプ+を活用したwebでの展開。
そういった努力こそ今の時代で作品を売るための方法だって、
出版業界の外にいる自分にだってわかる。

書店なんて正直いってもうそれほど力はありません。
なのに、そんな時代遅れの努力をしてそれを作家にも強要して、
努力が実らなかった自分は頑張ったのに。。。
なんてマンガ描いてたら、そりゃ批判されるわ。
目立ちたがりの編集者。
作家の宣伝もしないバカともいわれている。






とまぁ、ここまではツイッターで散々いろいろな人が言っていること。


この人自体の今のやり方、
ツイッターを活用した自分が広告塔となるプロモーションは悪くない。

だって、石を投げられ非難されるのは編集者だけだから。
作家はむしろ同情を集め、作品の知名度は上がり、結果的に広く広告できてる。

炎上マーケティングとしては成功していると言っていい。

この編集ここまで狙って炎上しているのならたいしたもんです。
というか、狙ってるんでしょう。
編集者はほとんどが高学歴だし、
出版社側にはマーケティングデータもあるはず。
炎上やバズは狙って起こすのは難しいけれど、
ことオタクコンテンツに関しては火種は結構転がっています。
自分の愚図な行動をあえて逆手にとって炎上させたなら、すごい。

編集者は、マンガを売るためなら何でもしなければならない。
というようなこと、「重版出来」でも書かれていたように思う。


つまり、この編集者山中さんの勝ち。
色紙100枚にかみついた一般人、疑問を呈した作家さん、
したり顔で編集者を批判しているTwitterの有象無象。

よくぞ乗せられてくれました、
あなたも私も編集山中氏の掌の上。
相手が一枚上手でした。

踊らされた皆さんはこの人のマーケティングに敬意を表して、
モブ子の恋の試し読みでもしてみてはいかがでしょう。
そんでもってオモシロかったら、
マンガを買ってあげればいいのです。


ここで試し読みできるよ。