たぬきのちらうら

適当に、好きなことを書く。おもにシャニマス

日韓アイドル事情から読み解くSHHis

3rdライブのSHHisのパフォーマンス!最高でしたね!

 

自分は運よく福岡両日現地のチケットを握り、初披露を現地の圧倒的音圧とともに浴びることができました。次がSHHisのパフォーマンスです!となったとき自分も含め多くのプロデューサーが応援の拍手をしました。

 

「新人だしね、ガンバレ!」

 

それくらいの気持ちでしたが、圧巻のパフォーマンスに打ちのめされました。ダンスもかっこいいし、動いても動いても声はぶれないし、ラスサビ前の指パッチンからのShiiiiiiii

もう、声出しNGなのに思わず「ひっ」と息をのみました。

OH MY GODは正直好きな曲調ではなかったのですが現地で聞けば一気に魅了されました。

 

 

今回、そんなSHHisと楽曲についてちょっと変わった角度から見てみたいと思います。

 

 

先に断っておきますが、僕はKPOPアイドルに詳しくありません。そもそもアイマス以外のアイドルは全然知りません。にわか人間が精一杯調べて得た情報で語りますので、そっち方面で詳しい方がいれば、僕の記事などたたき台にしてもっと専門的なことを述べてもらった方が面白くなるでしょう。

 

 

1.OH MY GODがK-POPっぽい

 

これは、発表当時からいろいろな方が言っていたことです。僕なんぞはKPOPに疎いので「はえー、そうなんすねぇ」と聞いていたのですが、調べたところによると、この曲はいわゆるTRAPというジャンルらしく、KPOPではこのジャンルの曲が多いそうです。(TRAP自体は90年代のアメリカ発祥のEDMらしいです)

実際、OMGの作曲をしているEunsol(1008)さんはTWICEの、作詞の光勝(Co-sho)さんはTWICEやBLACK PINKなどKPOPアイドルの楽曲の日本語作詞を手掛けている本物のKPOP畑の方でした。

つまり、意図的にKPOPの人選でこの曲は作られているのは間違いないようです。

 


www.youtube.com

これとか好きな感じでした。KPOPアイドルの皆さんってかっこいいですねぇ。OMGと似た感じもあります。なにより、キレッキレのダンスがいい。

 

 


www.youtube.com

TWICEの最新曲。いろいろ聞いた中ではこれが一番刺さりました。(完全に余談ですが)

 

 

そう言われてみると、彼女たちのライブ衣装や髪色もKPOPアイドルっぽいんですよね。BTSなど男性KPOPアイドルもそうですが、韓国では楽曲ごとに派手な髪色に染めたりすることも多いそうです。

f:id:agtor:20210602204338j:plain

美琴さんとか、そのままMVに出れそうじゃありませんか?

 

 

2.令和のKPOPアイドルの立ち位置

そもそも、僕のようにリアルアイドル業界に疎い人間にとっては「なんか最近またKPOP流行ってるなぁ」くらいの認識でした。NiziUやBTSなんかの名前をよく聞くなーって。

どうやら、今は第3次韓流ブームだそうで(第1回は冬のソナタBoAのころ、第2回は少女時代や東方神起)。2015年にTWICEが活動を始めたころから徐々に来た波がピークに達しているそうです。

そして、そんなKPOPアイドルの特徴が

「歌やダンス、パフォーマンスで見た人を魅了する」

という、技術を武器に戦うこと。

アイドル市場が小さい韓国では自然と海外に目を向ける必要があり、言語の壁を越えて人々を魅了できるダンスや歌唱力、パフォーマンスが自然と求められるようになったそうです。実際、MVを見てみてもすごいことは一目でわかります。聞いた話では、KPOPアイドルはCDリリース時こそ宣伝のためにメディア露出を増やしますが、ある程度宣伝したらまたメディアから引っ込み、ひたすらレッスンでパフォーマンスを磨くそうです。

この、パフォーマンス至上主義のアイドルの姿にあこがれて、近年は日本から韓国に渡りアイドルを目指す若い子も多いとか。有名な例でいえば、HKT48宮脇咲良なんかがそうです。(厳密には少し違うかもですが)

TWICE自体も、韓国人、日本人、台湾人からなる混成ユニット。

キャッチコピーは

【いい音楽で一度、素晴らしいパフォーマンスで二度魅了させる】と言う意味を持つ、Asia No.1最強ガールズグループTWICE。

余談ですが、近年話題のNiziUも、TWICEを手掛けた敏腕プロデューサーJ.Y.Parkが日本で立ち上げたユニットです。

 

ところで、皆さんお気づきだと思いますが、このパフォーマンス至上主義の考え方こそ、緋田美琴ですよね。

f:id:agtor:20210602205235j:plain

紹介MVでも使われた印象的なセリフ

美琴は、パフォーマンスでみんなを感動させるアイドルになりたかったけれど、「見た目がよくて、個性があって、キャラが立ってて推せる」アイドルたちに先を行かれて、10年芽が出ることなく苦しんでいたアイドルです。

 

f:id:agtor:20210602205459p:plain

10年苦しんだ美琴。彼女が花開くのはきっと、今だったんだね。

 

ルカとの決裂も、この方向性の違いが原因だと作中で語られています。美琴というアイドルもまた、現代KPOPの流れを汲んだアイドル像を目指していました。しかしそれはつい最近に日本でも認められるようになったアイドル像で、10年前の日本では特に、求められるものではありませんでした。

 

3.モーニング娘からAKBまでのJPOPアイドル

では、日本のアイドルと言えば、この2つのグループが時代を築いていたのは間違いないでしょう。90年代後半に生まれたモーニング娘は、そのデビュー時こそ本当にただの素人の女の子たちで。未成熟な彼女たちの成長の物語、シンデレラストーリーに、日本の皆がアイドルとしての魅力を感じていました。

このあたりに関しては、下記の記事が詳しいです。この項目で語る内容の半分くらいはこちらからの受け売りです。

www.sankeibiz.jp

 

ただ、モーニング娘が成長しパフォーマンス力を獲得した結果、未成熟さを失いファンが離れてしまいました。そこに、隙間を埋めるように入ってきたのが秋元康率いるAKB48。会いに行けるアイドル、とにかく数が多いメンバー。未成熟でクラスに1人はいるような可愛さの子を推していくコンセプトのAKBは見事にハマり、2000年代後半から10年以上日本のアイドル界を支配します。

 

つまり、日本人にとってのアイドルは、パフォーマンスよりも推せるかどうか。イルミネの感謝祭でもありましたよね。

f:id:agtor:20210602210309p:plain

2年目の頭のころから、シャニマスはこの問題に向き合っていました。

それも一つのアイドルの形だとは認めつつ、プロデューサーもイルミネも頑張りたい。頑張ることを認めてもらいたいと、成長する決意を固めました。

僕自身、AKBや初期モーニング娘の在り方を否定するつもりはありません。実際、ミリオンセラーを多く生み出し時代を支配したのは事実。何より、本家アイドルマスターモーニング娘から着想を得ていますし、シンデレラガールズの数戦略や総選挙、設定が生かせていませんがミリオンのシアターという舞台もAKBからの流れを汲んでいます。特にシンデレラガールズはこの売り方で大成功を収めています。身近な存在としてのアイドルや、個性一辺倒のアイドルもまた、一つの在り方です。

ただ、これは個人的な感想としてこの日本的なアイドルの在り方はあまり好きではありません。あくまで好みの問題です。だから、AKBには一切食指が動かず、シンデレラにもハマりきれなかったんだと思います。

実際、AKBが支配していた10年、JPOPはとてもつまらなかったと個人的に思います。僕はアイマスにはまるまでの10年はずっと、2000年代前半までの懐かしい曲か、ゲーム音楽しか聴いていませんでした。新しい曲たちには全然興味が持てなかったのです。最近のJPOPは同年代がコンポーザーになって作っているボカロの流れを汲んだものや、非の打ち所がないクオリティを持つヒゲダンなどいいものが多く、聞くのも楽しいですね。すみません、余談です。

 

話を戻しましょう。シャニマスは、283プロはいろいろなアイドルの在り方を認めています。ノクチルなどは、今までの何にも類似しない全く新しいアイドルだと思っています。その最後の1ピースとして追加されたのが、後期のモーニング娘や現代KPOPアイドルと同じパフォーマンス主義のSHHisなのも多様性の1つの形なのでしょう。

現代の中高生はKPOPアイドルにあこがれ、Youtubeでダンスの動画をみて踊ったり、インスタをフォローしてメイクを真似たりもしているそうなので、数年後には日本もパフォーマンス至上主義に変わっているかもしれません。

 

4.七草にちかという異質な存在

楽曲はKPOP、美琴の在り方も現代KPOPアイドル。では、七草にちかは何なのか。この結論はここでは出せません。3rdライブのパフォーマンスを見れば、にちかもまた美琴と一緒に歌やダンスで人々を魅了する八雲なみをも超える存在になることがゴールなのだとは思います。

ただ、にちかの物語はWINGを終えて始まったばかりで、彼女がどういう道筋でゴールにたどり着くかは全く分かりません。

全く分かりませんが、予測として1つKPOP周辺のお話を持ってきてみました。まぁ、こじつけ半分の与太話です。

僕が気になったのは、先ほど少し取り上げたNiziUのメンバーの1人アヤカです。これは、いつだったか日本のテレビ番組「スッキリ」を見ていた時のこと。今でもなぜか印象に残っているエピソードです。

NiziUというユニットは、そのメンバー選抜の物語からHuluなどで配信して注目を集めるという、女の子がアイドルになるスターロードの過程を見世物にするコンテンツでもありました。(このあたりはなんだか日本的ですよね)その総集編みたいなものをやっており、そこでオーディションを受けていたのがアヤカです。オーディションで一芸を披露するときアヤカは「少し変わったテニス講座」という訳の分からないパフォーマンス。


www.youtube.com

 

見たほうが早いです。7分ごろから始まります。というか、文字で説明できない・・・。このパフォーマンスを見たプロデューサーのJ.Y.Parkは彼女のスター性を評価します。最終的に「実力で判断したら不合格だが、家に帰ってもAYAKAさんが頭から離れないと思う」といい、最終オーディションを通過。1万名以上の応募者の中から8位でNiziUのメンバー入りを果たしました。

スター性、言葉にできない魅力、見る前と見たあとでその人をもっと好きになれば成功と評されたパフォーマンス。

そういうものを、にちかも持っているのではないかと、僕はずっと思っています。シナリオ上シャニPの目が曇っているので判断がつきづらいですが。にちかはにちかを取り巻く物語が、彼女自身の魅力を見るためには邪魔になっています。その物語もまたとても面白いのですが、現状カード数がすくなくにちかの魅力はとてもわかりづらい。それでも、実装初日に僕が3日連続でSSを書くことになったり。彼女を幸せにする、そのための仕事がしたいと思わせる魅力があるのは間違いありません。

 

5.おわりに

 

というわけで、SHHIsは現代KPOPの流れを汲んだ最新のアイドル像であるのではないかというのが僕の結論です。僕らのような長年アイマスを推しているアラサーPはもちろんですが、今の10代にも魅力的に思ってもらえるユニットになってくれれば。

 

ついつい、彼女たちを取り巻く物語の方に目がいき、「辛い」「しんどい」という感想が出がちかもしれませんが、彼女たちが魅せたいアイドル像や目指す姿、隠れた魅力に目を向けて、彼女たち自身を見てくれればと思います。

 

最後に、自作を宣伝して終わります。

七草にちか本人を見てね。という話です。

 

www.pixiv.net