たぬきのちらうら

適当に、好きなことを書く。おもにシャニマス

冬優子とニューロマンサー

ニューロマンサーというSF小説をご存じだろうか。





優秀なシャニP諸君は当然すでに知っていることと思うが、
われらがアイドルユニット「ストレイライト」
の原典となる作品である。
ウィリアムギブスンが1980年代に発表したこの作品は、
のちにSF界隈にサイバーパンクというジャンルを流行らせた歴史の転換点。
映画「マトリックス」も実は
この作品を映像化しようとしてとん挫したものから
生まれた映画と言われている。


ストレイライトというユニットが発表されたとき、
何人かの聡明なPたちは直ちに
ニューロマンサーの中にある「迷光仕掛け(ストレイライトラン)」という
章のタイトルに結び付けた。
実際、ストレイライトの衣装が「ネオンライトロマンサー」であったり、
あからさまにニューロマンサーを基にしている。


なんて、知ったかぶりで語ってはいるが、
たぬきもつい先日読了したばかり。
そもそもハヤカワ書房の背の高い本は10冊も持っていないような
非常にライトなSF読みだ。
そして、このニューロマンサーを読むのにも3か月はかかった。
しおりにしていたのがサマパのチケットなのだから、
そのときから読み続けていたことになる。

なにせ、あまりにも説明不足で難解。
多くのシャニP、ストレイライトPが読もうと挑戦して
挫折したであろうことは想像に難くない。
そもそも、読み終えた今でも全体像ははっきりとわからないし、
読んでる途中解説を当たろうにも
「わけがわからないと思うがわけのわからないまま読め」
とぶん投げられる始末である。

と、まあ前置きが長くなったが、今回はつまり
難解なニューロマンサーをなんとか読み終えたので、
ストレイライト、特に冬優子とのかかわりについて書いていきたい。


ニューロマンサーのあらすじ

かなり難解かつ複雑なので、
要所要所だけつまんで話す。
主人公のケイスはいわゆる天才ハッカー
ホサカというデッキ(パソコンのようなもの)を使い
センスネット(今でいうインターネット)に潜り
様々なハッキング行為を繰り返していた。
だが、タブーを犯してハッキングに使う神経を焼き切られ、
自堕落に薬漬けになり、チバ(本当に千葉県)でくすぶっていた。

このセンスネットはマトリックスの世界や
攻殻機動隊の世界のような感じ。
精神丸ごとダイブすることができる。
そんでもって描写が極端に少ないから、
読んでいる方までここが現実なのかセンスネット内なのかわからなくなる。

ケイスはアーミテジという人間にハッキング能力の回復と引き換えに
とある企業のアイス(プロテクト)を破るハッキング依頼を受ける。
護衛である女サムライ、モリィとともに
任務の遂行を目指す。
その中で、アーミテジの正体、依頼の本当の目的などなど。
物語の革新に迫っていく。



冬優子と冬寂(ウィンターミュート)

ここからはネタバレだ。
ケイスに依頼をしたアーミテジを裏で操っているのが
冬寂(ウィンターミュート)というAIである。
ウィンターミュートはハッキング対象である
テスィエ=アシュプールという企業の持つAI。
この世界ではAIはある程度以上の知能に成長した時点で
自然に消滅するようになっている。
成長したAIが持つ力を恐れての抑止力のようなものだ。
そこで、2つの消滅するギリギリのAIを作り、
のちに合体させることで限界点を突破したAIを作るという目的のため
冬寂は今回のハッキングを依頼した。
テスィエ=アシュプールが存在する場所が、
ストレイライトという、衛星軌道上のコロニー。
ストレイライトにおいてハッキングを仕掛ける今回の仕事を
ストレイライトランと呼ぶ。

ウィンターミュートが最終的に統合を目指す片割れのAIが
本書のタイトル「ニューロマンサー」である。
ウィンターミュートは人格を持たず、
内からの衝動にかられて統合を目指す。
一方ニューロマンサーは人格を持ち、
今回のランを妨害する。
妨害には非常に感情的な攻撃をするあたり、
人格を持っているのは間違いない。
最終的にランには成功、ウィンターミュートとニューロマンサーは統合を果たす。
統合を果たして生まれた前人未到のAIは、
世界を支配することすらできる存在になった。
だが、世界を変えるわけでもなく、
ケンタウルス座系に存在する同類と呼ぶAIと話をするため
そちらへ旅立っていく。

あらすじだけ語るとなんだか物足りないが、
この一連のストーリーの中のサイバーパンクなかっこよさ、
意味が分からないのに進んでいく不思議な感覚、
ところどころからあふれるけれん味は読まなければわからない。

さて、お気づきの通り、ウィンターミュートと
われらがストレイライトのリーダー黛冬優子。
名前が似ている、そして
二つの人格という意味でも共通する。
かかわりは間違いなく存在するのであろう。

今回のpSSRのコミュにて、
冬と寂というキーワードが出てきた。
個人的に、今回のコミュは黛冬優子とPの関係性を丁寧に丁寧に描いていて、
最高以外の言葉がない。





かわいい。最高にかわいい。
先日実装されたばかりのpSSR、イラストもコミュも最高である。


ニューロマンサーが暗示するストレイライトの未来


そんなもん、なんとでも言えますが
自分の考えた結論を書きます。

つまり、冬優子とふゆは
ニューロマンサーとウィンターミュートに重ねて考えられる。

シャニマスのコミュのストレイライトランでは、
冬優子は冬優子としての一面をメンバーに見せてしまう。
ある意味、ストレイライトのメンバーの前では、
冬優子とふゆが混在する存在となったといえる。
愛依やあさひが担うのはさながら、
ケンタウルス座にいるような、統合したAIと同じ存在なのだろうか。

まだまだシャニマスのストレイライトのコミュは進み始めたばかり。
どういう結論をたどるのかはわからない。
ただ、一つ言えるのは、

作品「ニューロマンサー」の中で二つのAIは統合を果たしたということ。
シャニマスにおいて冬優子とふゆはどうなっていくのか。
それを暗示しているようにも思える。
どちらから統合を求めるのかは、この先のお楽しみ。

また、ニューロマンサーという作品が、
以降のサイバーパンクSFすべてに影響を与えたといっても
過言ではない作品である。
なればこそ、アイドルストレイライトもまた、
大きく世界を変える可能性を持つ存在。
冬優子だけでなく、愛依も2面性を持つ。
あさひという存在を追う二人の変化は何をもたらすのか。
統合したAIは世界すら変えてしまう存在だった。

彼女たちだって、世界を変える力を持つ。
そういうことではないだろうか。